異世界転生の話

最近、ヒナまつりっていうアニメにハマっています。今3話まで放送されてるんですけど、ザックリ言うと、異世界からやってきた最強の超能力を持つ少女ヒナちゃんが、クソ面倒見のいいヤクザの若頭(名前忘れた)の家に無理矢理居候するというギャグコメディ。ヤクザの一々的確なツッコミと全モブキャラのクズさが面白いのと、女の子が可愛いので、ニコニコ動画コンプライアンスに視聴しております。

異世界というと、ここ数年、現代の普通の人間が異世界に転生して、特別に与えられたチート能力を発揮し、ついでに女の子にモテまくることにより、労せずハーレム状態になるというアニメとかラノベがめちゃくちゃ量産されていますね。

この異世界転生モノというのは悲しい日本人のモテないオタクどもが作った新ジャンルと思われがちなのですが、実は100年以上昔の超有名国民的アメリカ人作家の一小説に端を発するのです。その作家とはトムソーヤの冒険、ハックルベリーフィンの冒険の作者として有名なマークトウェイン。その世界初の異世界転生小説は「アーサー王宮廷のコネチカットヤンキー」という作品で、主人公である19世紀アメリカの工場勤務の男が、ふと目覚めると7世紀の中世イングランドにいて、処刑されそうになるけど、未来の知識を使って、皆既月食の予言を的中させて、アーサー王に側近として取り入り、魔術師マーリーンを山師と言って追い出し、学校を作り、人々を教育し、1000年早い産業革命まで起こしてしまうというようなあらすじで、まさに何でもないやつが異世界でチートになるというお話なのです。

しかし、マークトウェインの異世界チートと、現代の異世界チートには大きな違いがあり、トウェインの場合、そこにはアメリカ的な、無知蒙昧な人々が住まう未開の地は、我々が拓いて、光を当てなければならないという伝統的なフロンティア精神の現れである一方、日本のものは、「俺たちオタクも異世界に行ったら何かすげえ奴としてちょっと頑張るだけで褒められて女の子にモテるんじゃないか」という、現世で上手くいかないから異世界行こう!みたいなダメダメな発想に基づいてるのは言うまでもありません。


何はともあれ、世界最初のSFとも言われるコネチカットヤンキーはかなり面白いので、おススメです。ヒナまつりも割と笑えるので良い感じです。